向日葵の炭化実験報告

平成151013

 <実験概要>

実験1)炭化時間、炭化重量、寸法変化を調べた。

実験2)炭化時間、炭化重量、を調べた。

実験3)以上の試験体は向日葵の生茎のデータである。大気中で充分に乾燥させた場合を想定した実験を試みた。実際にモンゴルの大気乾燥がどの位の乾燥レベルなのかは分からないが、65℃で3時間の乾燥をしたもので炭化時間を調査した。

 <実験結果>

実験1) 

@        炭化条件 : 90

A 炭化処理前後の寸法変化

 

炭化前

炭化後

変化率(%)

L

φ

サンプルNo1

220×φ28

215×φ24

97.7

85.7

240×φ19

228×φ16

95.0

84.2

サンプルNo2

220×φ25

213×φ23

96.8

92.0

190×φ20

183×φ18

96.3

90.0

平 均

96.4

88.0

 B 炭化処理前後の重量変化

 

炭化前

炭化後

炭化重量(%)

(投入重量比率)

サンプルNo1

85g

12.0g

14.1

23g

3.2g

13.9

サンプルNo2

60g

8.2g

13.7

25g

  3.2g

12.8

平 均

13.6

 C 炭化状態

  ●向日葵の茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。

  ●炭化終了後、そのまま外気に曝したままでも発火は起こさなかった。

  実験2) 

実験2−1) 実験1.と同様に試験体を炉内に放置状態で加温した

 炭化条件 : 45

炭化状態

    向日葵の茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。

      炭化重量比率 : 13%

  ●炭化終了した時点で発火が確認された。従って、放置状態で加温した場合は水を噴霧して消火する必要がある。

  ●しかしながら炭化時間を50%短縮できるメリットがある。

 

実験2−2) 試験体をアルミ箔で2重に包み酸素が供給されないようにした

 炭化条件 : 120  

炭化状態

    向日葵の茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。

      炭化重量比率 : 15%

  ●炭化終了した時点で発火は確認されなかった。そのままの状態で大気にさらして自然冷却させたが発火は起こらなかった。

  ●しかしながら炭化時間が長くなったこと、酸素の遮断が装置的には難しく設備費が大幅に高くなることが予想される。

 

実験2−3)試験体を炉内に放置状態で30分加温した後、自然冷却させた。

炭化状態

  向日葵の茎の外皮と太い繊維質が炭化状態で残ったものの形状は完全に崩れてしまった。

  実験3) 試験体の乾燥 と 炭化実験

以上の試験体は生のひまわり茎のデータなので、乾燥させてから炭化させた場合の実験で、実際にモンゴルの大気乾燥に近づけた状態での炭化時間を調査した。

  乾燥時間 : 65℃×3時間

 重量変化 : 乾燥前重量 150g  乾燥後重量 89.6g

        変化率 60%

  炭化処理 :  40

 重量変化 : 炭化前重量 89.6g  炭化後重量 18.4g

        変化率 20.5%

 炭化状態 : 40分で完全炭化状態になった。(35分前後でもOK)

        そのまま、大気中に出して自然冷却しても発火はしなかった。

 <結 論>

1) @ 向日葵茎の生材でも 1時間30 で炭化可能である。

A 充分に大気乾燥(水分放散量が生材重量の40%以上の乾燥状態)されている場合は、3040分で炭化可能である。モンゴルの乾燥状態はどのくらいなのだろうか。

  B 炭化処理終了後は大気中での自然冷却で発火せずに冷却可能である。

C 温度バラツキがある場合は、発火の危険性があるので水を噴霧し消火しておく必要がある。

 2)炭化物の保管上の注意点

  @ 炭化物の保管は、含水率が23%以下にならぬよう充分な注意を払う必要がある。(特に、粉炭の場合は含水率が23%以下では自然発火を起こすので要注意)

  A 向日葵の炭化は積み重ねただけで形状が崩れて粉炭に成り易いので、保管庫は常に23%以下にならぬよう保湿しておく事が肝要である。

 <実験サンプルの写真>

 実験1の写真

 No1サンプル(炭化処理前) 

No1サンプル(炭化処理後)

 

No2サンプル(炭化処理前) 

No2サンプル(炭化処理後)

テキスト ボックス:  ひまわりの炭化実験報告
平成15年10月13日
技術開発部 西巻龍介

非木材での炭化となると高温での炭化は不可能ではないが、実際にやるとなると非常に非経済的な方法を取らざるを得なくなる。従って、ここの実験では非木材である ひまわりの茎部分 の炭化条件を求めるに当って基本的には低温炭化での条件設定で実験を進める。
 低温炭化における基本条件はその温度設定に有ります。275℃ この数字がキーワードになります。この数字は、植物を構成している 3要素(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)のうち動物の肉に相当するリグニンが熱分解する温度で、この275℃ を専門用語で自発炭化温度と言います。要するに、自分の力で炭化を持続できる温度と言うことになります。今回は ヤマト科学(株)製のマッフル炉を使って実験した。

<実験概要>
実験1)温度設定を275℃(275〜300℃)として、炭化時間、炭化重量、寸法変化を調べた。
実験2)温度設定を300℃(300〜330℃)として、炭化時間、炭化重量、を調べた。

実験3)以上の試験体はひまわりの生茎のデータである。大気中で充分に乾燥させた場合を想定した実験を試みた。実際にモンゴルの大気乾燥がどの位の乾燥レベルなのかは分からないが、65℃で3時間の乾燥をしたもので炭化時間を調査した。

<実験結果>
実験1) 設定温度280℃(280〜300℃)での炭化実験
@	炭化条件 : 280℃×90分
         アルミ箔容器に試験体を置き、そのまま炉内に入れ加温した。
A 炭化処理前後の寸法変化
	炭化前	炭化後	変化率(%)
			L	φ
サンプルNo1	大	220×φ28	215×φ24	97.7	85.7
	小	240×φ19	228×φ16	95.0	84.2
サンプルNo2	大	220×φ25	213×φ23	96.8	92.0
	小	190×φ20	183×φ18	96.3	90.0
平 均	96.4	88.0

B 炭化処理前後の重量変化
	炭化前	炭化後	炭化重量(%)(投入重量比率)
サンプルNo1	大	85g	12.0g	14.1
	小	23g	3.2g	13.9
サンプルNo2	大	60g	8.2g	13.7
	小	25g	  3.2g	12.8
平 均	13.6

C 炭化状態
  ●ひまわりの茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。
  ●炭化終了後、そのまま外気に曝したままでも発火は起こさなかった。


実験2) 設定温度300℃(300〜330℃)での炭化実験
実験2−1) 実験1.と同様に試験体を炉内に放置状態で加温した
 炭化条件 : 300℃×45分
        アルミ箔容器に試験体を置き、そのまま炉内に入れ加温した。
炭化状態
●	ひまわりの茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。
      炭化重量比率 : 13%
  ●炭化終了した時点で発火が確認された。従って、300℃の放置状態で加温した場合は 水 を噴霧して消火する必要がある。
  ●しかしながら炭化時間を50%短縮できるメリットがある。

実験2−2) 試験体をアルミ箔で2重に包み酸素が供給されないようにした
 炭化条件 : 300℃×120分
        アルミ箔で試験体を2重に包み、そのまま炉内に入れ加温した。
炭化状態
●	ひまわりの茎の外皮に付いては、ほぼ均一に炭化されている。
      炭化重量比率 : 15%
  ●炭化終了した時点で発火は確認されなかった。そのままの状態で大気にさらして自然冷却させたが発火は起こらなかった。300℃設定(300〜330℃)で加熱した場合でも、酸素を遮断することで発火は食い止められる。
  ●しかしながら炭化時間が長くなったこと、酸素の遮断が装置的には難しく設備費が大幅に高くなることが予想される。

実験2−3)試験体を炉内に放置状態で30分加温した後、電源を切り自然冷却させた。
炭化状態
●	ひまわりの茎の外皮と太い繊維質が炭化状態で残ったものの形状は完全に崩れてしまった。
●	300℃設定は水噴霧無しでは難しい事が分かった。


実験3) 試験体の乾燥 と 炭化実験
以上の試験体は生のひまわり茎のデータなので、乾燥させてから炭化させた場合の実験で、実際にモンゴルの大気乾燥に近づけた状態での炭化時間を調査した。

 乾燥時間 : 65℃×3時間
 重量変化 : 乾燥前重量 150g  乾燥後重量 89.6g
        変化率 60%

 炭化処理 : 設定温度280℃(実質温度280〜300℃)× 40分
 重量変化 : 炭化前重量 89.6g  炭化後重量 18.4g
        変化率 20.5%
 炭化状態 : 40分で完全炭化状態になった。(35分前後でもOK)
        そのまま、大気中に出して自然冷却しても発火はしなかった。

<結 論>
1)温度設定は 275〜300℃ がベストである。
@ 275〜300℃ であれば、ひまわり茎の生材でも 1時間30分 で炭化可能である。
A 充分に大気乾燥(水分放散量が生材重量の40%以上の乾燥状態)されている場合は、30〜40分で炭化可能である。・・・モンゴルの乾燥状態はどのくらいなのだろうか。
  B 炭化処理終了後は大気中での自然冷却で発火せずに冷却可能である。
C 温度バラツキがある場合は、発火の危険性があるので水を噴霧し消火しておく必要がある。

2)炭化物の保管上の注意点
  @ 炭化物の保管は、含水率が23%以下にならぬよう充分な注意を払う必要がある。(特に、粉炭の場合は含水率が23%以下では自然発火を起こすので要注意)
  A ひまわりの炭化は積み重ねただけで形状が崩れて粉炭に成り易いので、保管庫は常に23%以下にならぬよう保湿しておく事が肝要である。
    
<実験サンプルの写真>

実験1の写真

   
   No1サンプル(炭化処理前)      No1サンプル(炭化処理後)

                                             
  
No2サンプル(炭化処理前)      No2サンプル(炭化処理後)